──うるさくて、寝れない‥。
あれから4時間、神は笑い続けている。
真剣に悩んだ末に導き出した結論が、『臓器を売る』だったことがツボに入ったらしい。
たしかに発想がおかしなところまで来ていた。
人間追い詰められると、わけがわからないことを口にする。
──それにしても、長い‥‥。
明日も朝からバイトがある男。
笑い転げる神を放置して一旦はベッドに入ったが、とてもじゃないが眠れる状況ではなかった。
だが、このカオスすぎる状況が逆に男を冷静にさせる。
──そういえばこの人、何しに来たんだ?
浮かんできた疑問を確かめるため、男は笑いが収まるのをただ待つことにした。

おひゃんっ!!

‥‥。

‥。
いやー、おもしろかった。

まったく、
笑いすぎて死ぬかと思ったぞ、
マジで勘弁してくれ。

‥。
こっちのセリフですよ。

‥ああ、
まあうるさかっただろうな。
すまん。

‥いいんです。
そんなことより、‥神さま。

お、どうした?
神妙な顔して。

あなた一体、何をしにこちらへいらっしゃったんですか?

ああ、そのことか。
そうだな、それを言ってなかった。

はい‥。
ぜひ、聞かせてください、
神さまがここにいらっしゃった目的を。

うむ、
ワシがここに来たのはな、
大カビの発生を抑えるためだ。

おおかび‥?、ですか‥?

神界で起こる大規模な災害だ。
こいつが発生すると、大勢の餅神たちが死ぬことになる。

災害‥。
それはとても恐ろしいですね‥。

‥。
ああ、とんでもないぞ。
実際押し寄せてくるのを見たら、びっくりするだろうな。

‥。
そんなに‥。

カビというのはワシらの天敵なのだ。
触れられたら最後、その部位は切り落とすしかなくなる。

部位を‥?

ついこないだも、うちのばあちゃんがうっかり触れられてしまってな。
それで右耳を切り落とすことになった。

右耳ですか?
それはひどい‥。

今では元気にやってるがな。
『イヤホンが片耳しかいらなくなった』と言って喜んでいるくらいだ。

それはまた‥、
よかったですね‥。

ああ、タフなばあちゃんだ。

もしかしたら、
タフという言葉は、ウチのババアのためにあるのかもな。

‥‥。
‥ですかね‥?

‥。
多分、そうだろう。

そんなことより大カビだろ。
ワシは大カビの発生を防ぐために、一族を代表して派遣されたのだ。

あ、そうでしたね。

大カビの発生‥。
それはいったい、どうやって起こるんですか??

‥。
‥貴様だ。

へ??

大カビはな、
貴様が原因で起こるのだ。

‥‥?
‥‥‥はい??

コメント