【13話】大カビ

大きく口を開けたカビの化け物 STORY



──うるさくて、寝れない‥。

あれから4時間、神は笑い続けている。

真剣に悩んだ末に導き出した結論が、『臓器を売る』だったことがツボに入ったらしい。

たしかに発想がおかしなところまで来ていた。

人間追い詰められると、わけがわからないことを口にする。

──それにしても、長い‥‥。

明日も朝からバイトがある男。

笑い転げる神を放置して一旦はベッドに入ったが、とてもじゃないが眠れる状況ではなかった。

だが、このカオスすぎる状況が逆に男を冷静にさせる。

──そういえばこの人、何しに来たんだ?

浮かんできた疑問を確かめるため、男は笑いが収まるのをただ待つことにした。


餅神さま
餅神さま

おひゃんっ!!

おっさん
おっさん

‥‥。

餅神さま
餅神さま

‥。

いやー、おもしろかった。

餅神さま
餅神さま

まったく、
笑いすぎて死ぬかと思ったぞ、
マジで勘弁してくれ。

おっさん
おっさん

‥。

こっちのセリフですよ。

餅神さま
餅神さま

‥ああ、
まあうるさかっただろうな。

すまん。

おっさん
おっさん

‥いいんです。

そんなことより、‥神さま。

餅神さま
餅神さま

お、どうした?
神妙な顔して。

おっさん
おっさん

あなた一体、何をしにこちらへいらっしゃったんですか?

餅神さま
餅神さま

ああ、そのことか。

そうだな、それを言ってなかった。

おっさん
おっさん

はい‥。

ぜひ、聞かせてください、
神さまがここにいらっしゃった目的を。

餅神さま
餅神さま

うむ、
ワシがここに来たのはな、

大カビの発生を抑えるためだ。

おっさん
おっさん

おおかび‥?、ですか‥?

餅神さま
餅神さま

神界で起こる大規模な災害だ。

こいつが発生すると、大勢の餅神たちが死ぬことになる。

おっさん
おっさん

災害‥。

それはとても恐ろしいですね‥。

餅神さま
餅神さま

‥。
ああ、とんでもないぞ。
実際押し寄せてくるのを見たら、びっくりするだろうな。

おっさん
おっさん

‥。

そんなに‥。

餅神さま
餅神さま

カビというのはワシらの天敵なのだ。
触れられたら最後、その部位は切り落とすしかなくなる。

おっさん
おっさん

部位を‥?

餅神さま
餅神さま

ついこないだも、うちのばあちゃんがうっかり触れられてしまってな。
それで右耳を切り落とすことになった。

おっさん
おっさん

右耳ですか?
それはひどい‥。

餅神さま
餅神さま

今では元気にやってるがな。

『イヤホンが片耳しかいらなくなった』と言って喜んでいるくらいだ。

おっさん
おっさん

それはまた‥、

よかったですね‥。

餅神さま
餅神さま

ああ、タフなばあちゃんだ。

餅神さま
餅神さま

もしかしたら、

タフという言葉は、ウチのババアのためにあるのかもな。

おっさん
おっさん

‥‥。

‥ですかね‥?

餅神さま
餅神さま

‥。
多分、そうだろう。

餅神さま
餅神さま

そんなことより大カビだろ。

ワシは大カビの発生を防ぐために、一族を代表して派遣されたのだ。

おっさん
おっさん

あ、そうでしたね。

おっさん
おっさん

大カビの発生‥。

それはいったい、どうやって起こるんですか??

餅神さま
餅神さま

‥。

‥貴様だ。

おっさん
おっさん

へ??

餅神さま
餅神さま

大カビはな、

貴様が原因で起こるのだ。

おっさん
おっさん

‥‥?

‥‥‥はい??

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